銀行の貸し付けにも総量規制は闇金⇒規制の無限ループでしょ!
銀行カードローンの貸し付け残高5兆円
銀行カードローンの過剰貸付が問題になっています。
もともとは、2010年頃、当時社会問題となった多重債務の問題で、消費者金融に規制がかかったのです。昔はカードローンといえば、サラ金と呼ばれ、あまりいいイメージはありませんでした。いまは、CMも頻繁に打たれてそこそこイメージも回復しつつありますね。
規制が入った消費者金融に対して、2010年の議論では、銀行は規制の対象になりませんでした。銀行は社会的地位もあり、責任を持っているため、そこまで規制をしなくても、自浄作用が働いてあまり無謀な貸し付けはしないだろうと思われたのです。
ですが、低金利が進み、マイナス金利にもなりつつある昨今、銀行は新しい収益源をもとめて、カードローンに積極的に乗り出しています。競うようにCM展開していますし、「総量規制の対象外」「収入証明不要」などと積極的に宣伝して、顧客を集めました。
そして、貸出額のトータルは5兆円を超えています。これは、消費者金融のおよそ2倍となっています。消費者金融が規制されたことで、どんどん銀行カードローンに流れていったのです。
銀行カードローンに規制をかけたら、闇金が増える!
では、そんな銀行カードローンですが、最近の社会情勢を見ていると、国会でも取り上げられましたし、そろそろ問題化して規制が入りそうな気もします。
ですが!
規制が入ったらどうなるのでしょうか。借りたいというニーズは確実に存在するわけです。借りられなくなった人は、消費者金融、銀行カードローン、中小の消費者金融と流れて、そのうち、個人の貸金業にたどりつきます。そう、闇金です。
銀行カードローンを規制するということは、闇金が増えるということではないでしょうか。そしてまた、規制がはいる。無限ループです。基本的に、社会というのは市場原理にまかせてできる限り規制しないというのがビジネスのルールです。マーケットは規制が入ると歪められてしまいます。ですが、貸金業の規制は、金銭的な破綻者を救うためにも必要な仕組みです。
しかしあまりに規制を入れたら、今度は無法地帯の闇金に手を出す人が急増し、問題が地下にもぐってしまいます。そうならないためにも、たとえば、総量規制ではなく金利を規制して、今少々高すぎるぐらいのカードローン金利を下げてもらうようにするなどはいかがでしょうか。あまりに規制、規制としすぎると、今度は無法者が増えてしまうのです。それでは、一時しのぎにはなっても、根本的な解決にはなりません。
いま、社会全体で考えていくべきときですね。